INSURANCE VISUAL IDENTITY

INSURANCE VISUAL IDENTITY 価格.com保険のVIマニュアル制作案件

カカクコムインシュアランスおよび価格.com保険のVIマニュアルを制作いたしました。

  • サイト名

    価格.com保険

  • 公開日

    2023年2月

  • 制作期間

    約8カ月

  • 制作規模

    デザイナー3人 デザイン部部長2人 ブランド推進室2人 価格.com保険部門長1人 外部制作会社

  • ポジション

    デザイン監修 掲載内容の選定 案件進行

  • 制作環境

    Photoshop Illustrator

当時の状況

課題

価格.com保険、およびカカクコムインシュアランス(価格.com保険を運営している保険代理店)には、以下のようなブランディングの課題がありました。

また、デザイナー観点から見たときに、以下のような課題も見つかりました。

お客様やクライアントに向けた送付物はカカクコムインシュアランスの非デザイナーが制作しており、配色、ロゴ、フォント、行間などにルールがなく、制作者が自身の観点で良いと思ったものを制作している状況だったためブランドとしての統一感が失われていました。

解決方法

価格.com保険、およびカカクコムインシュアランスのブランドを強化するために、VI(ビジュアルアイデンティティ)マニュアルを作成しました。

また、部門長からの指示で、通常業務を疎かにしないように注意する必要があったため、VIマニュアルの具体的な制作作業は外部のデザイン会社に委託しました。

私が中心となり、VIマニュアルの制作を進行したほか、デザイン監修としてVIマニュアルのデザインのチェック、およびフィードバック、掲載内容の選定を行いました。

結果

VIマニュアルの掲載内容

価格.com保険およびカカクコムインシュアランスのブランド施策のためVIマニュアルを制作しました。 これらがそのVIマニュアルになります。想定ユーザーは価格.com保険にかかわる全社員、そしてカカクコムインシュアランスの全社員になります。このマニュアルでは「必要な保険で、未来の安心を」というビジョンに基づき、ロゴ規定や、カラー規定、推奨書体など、ビジュアル面で守るべき方向性を記載しています。

カカクコムインシュアランス 価格.com保険 VIマニュアル

掲載要素をより具体化するためにパターンを用意して議論

カラーパレットの選定

カラーパレットの選定

VIマニュアル作成にあたり、掲載要素の具体化には時間をかけました。 例えば、キーカラーとアソートカラーの選定では、価格.com保険およびカカクコムインシュアランスを代表する色として適切なカラーパレットを選ぶため、多彩なパターンを提案し、議論しました。上の図は、選択の判断材料として、実際のグラフや文書のデザインにこれらの色を適用した例です。 単に使いやすさや区別しやすさだけでなく、価格.com保険とカカクコムインシュアランスが象徴する誠実さや合理性など、ブランドイメージを色で表現できるかを考慮しました。

抽象度の高い案件で課題解決のための道筋を考える

課題解決のプロセス

課題解決のプロセス

VIマニュアルを作る案件は、抽象度の高いプロジェクトでした。そのため、どういった道筋で課題解決できるかを検討し、意見をとりまとめ導く必要がありました。案件の初期段階、VIマニュアルをどのように具体化すれば良いのか、メンバー間で意見が分散していました。

VIマニュアルに何を含めるのか、その粒度や対象などの制作内容の意見の分散。通常業務と並行して内製できるのか、もしくは外注するのかといった進め方の意見の分散。また、VIマニュアル作った後、カカクコムインシュアランス全体のクリエイティブのチェックをするのは誰なのかなどの運用の意見の分散などです。実体としてどんなものをどんな進め方で作ればいいのか、統一されたイメージがまだない状態でした。

そのため、デザイナーだけでなく、部門長やブランド推進室のスタッフとも協議を重ね、共通の理解と合意形成を進めることが重要であると認識しました。 最初に実務でデザインに携わっている立場として保険領域デザイナーにも協力いただき、VIマニュアルに掲載する内容を抽出しつつ、進め方や運用なども並行して検討、保険領域の部門長やブランド推進室、デザイン部長にも合意を取り、方針を定めていきました。

最終的にアウトプットしたVIマニュアルはカカクコムインシュアランス社員全体にも共有され、制作する送付物などのクオリティも向上しました。 結果として、ブランディング施策において、どのようなビジュアルを目指すべきかの指針ができました。 抽象度の高い案件において良い成果が残せたと思います。

その後の展開

実務内容を考慮しVIをさらに強固に

実務内容を考慮しVIをさらに強固に

VIマニュアル完成後もクオリティ管理、さらにはブランディングについて次の成果につなげる動きができました。

VIマニュアルの掲載内容が定まっていく中、より実務内容に即したクオリティ管理も必要だということが分かりました。

確かに実際の作業品質を管理するためには、VIマニュアルのような指針だけではなく、非デザイナー向けにクオリティコントロールのためのテンプレートやデザイナーの監修フローといった具体的なツールがあるとなお良いので、これらは今後導入予定になっています。

デザイナー側のアクションとしてはデザイナー用のチェックリストを作成しました。 このチェックリストは整列や反復などのデザインの基礎、推奨書体やフォントサイズ、アクセシビリティ、トンマナなどについて、注意すべき点が網羅されています。また、デザインのチェックだけでなく、コーディングについても様々な項目をチェックできます。このチェックはデザイナーの業務フローの中に組み込みました。

さらにメンバー同士でデザインのFBを行うTeamsチャネルも設け、そこでそれぞれのデザインのFBを行ってクオリティ管理をしています。こちらではより個別の案件に特化したチェックや、メンバーの育成につながるアドバイスの機会としても有効活用できています。 このように、VIマニュアルを指針とした上で、実務レベルまでクオリティ管理を仕組化することがブランドイメージを作っていく上で重要だと考えます。

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